2019/12/17 - 女川さかな手帖
宮城県牡鹿郡女川町の魚屋、岡清と鮮冷が綴る、女川の豊かな食と暮らしを彩る”さかな手帖”です。

女川七十二候:大雪 │ 末候[ 海鼠在岸 – なまこきしにあり ]

今年も残すところあと2週間、年末年始のご予定はいかがでしょうか。

二十四節気「大雪」の末候は、七十二候では「鮭魚群 (さけのうおむらがる)」です。
意味は文字通り、鮭が群がって川を遡上するということですが、実際には、鮭が戻ってくるのは、もっと前でしたね。

「女川七十二候」は「海鼠在岸 (なまこきしにあり)」です。

ナマコは冬になると活動が盛んになり、女川では十一月に解禁となり、漁は三月まで続きます。
箱眼鏡漁などで獲ることが多いですが、許可を得て素潜りで獲る漁師さんもいます。

ナマコといえば、なまこの内臓を塩辛にした「このわた」が珍味ですね。
宮城では、さらにそれを「ほや」と合わせた「莫久来(ばくらい)」というのがあります。
酒のアテには最高の一品です。
当店では現在のところ、このわたやばくらいは扱っていませんが、ぜひ、ほやと合わせて
味わってみてほしいです。

ナマコのうち、市場で人気(高値)なのは、赤ナマコといって、赤いナマコです。
ナマコは切ってから熱湯で湯通しすると柔らかくなり酢醤油などで食べるのですが、赤ナマコに関しては湯通しの必要がないくらい柔らかいです。
女川ではもっぱら黒いナマコが多いですが、私はこちらのほうが好きです(^-^)