3月, 2021 - 女川さかな手帖
宮城県牡鹿郡女川町の魚屋、岡清と鮮冷が綴る、女川の豊かな食と暮らしを彩る”さかな手帖”です。

プロが教える!殻付きホタテの剥き方からお刺身まで(動画付き)

 

贈り物として殻付きホタテをもらって困った、また、殻付きホタテを買ってみたいけど剥き方が難しくて買うのをためらってしまう、なんて方も多いのではないでしょうか?

毎年三陸のホタテを取扱う私たちが実践しているホタテの剥き方をご紹介いたします。

 

動画でも説明していますのでこちらも参考にしてみてください。

 

 

 

剥く準備する

ホタテ剥きに必要な道具

まずはホタテを剥く前に必要なものや環境を準備しましょう。

殻付きのホタテが必要なことは言うまでもありませんが剥くためのヘラやナイフ、手袋の2点は必ず用意してください。

貝を開いた後に内臓を取り出すためのお皿や容器があるとベターです。

剥く場所は、貝の中から水が出るのでキッチンで行うか、テーブルであれば布巾や新聞を引くなどして剥くと良いです。

 

以下用具のポイントです。

 

剥きヘラ(ナイフでも可)

ホタテを剥くための専用の剥きヘラがあります。

通販で殻付きホタテを購入すると大抵一緒についてきますが、無い場合は家庭にあるナイフでも代用することができます。

 

手袋

上の写真の手袋は私たちが工場で使用している専用の手袋ですが、家庭で行う場合は貝を持つ方の手にゴム手袋か軍手をはめて剥きましょう。

貝殻が割れていたり欠けていたりすると、手にけがをするかもしれないので手袋は必須のアイテムとなります。

 

 

貝の持ち方と注意点

ホタテの表裏

ホタテ表

まず、ほたてには表と裏があるのを知っていましたか?

上の写真のように貝殻が白っぽく、丸みを帯びて膨らんでいる方が表。

ホタテ裏

そしてこちらの色が茶色く平らで、唐草模様に似たニョロニョロが多く見られるのが裏面です。

 

貝も持ち方

ホタテ持ち方1

横から見るとわかるのですが、表側が丸みを帯びて膨らんでおり、裏側が平らになっています。

表側が裏側を覆う様に少し表の貝殻の方が大きいです。

ホタテ持ち方2

写真のようにこの表側を上にして持ってください。

また、このときに貝殻で手にケガをしないように気を付けましょう。

 

 

貝を剥く

左奥にヘラを入れる

ホタテの剥き方1

さあ、いよいよ貝を剥いていきましょう!

貝の口からヘラを入れて、下側の貝殻に沿って滑らすように奥までヘラをいれます。

上下の貝殻を引っ張ってくっつけているのが貝柱です。

貝柱は写真のように貝を持つと、貝の左奥側にあります。

ですので、貝の左側奥を目指して一突きしてください。

一回で離れなければ2,3回刃を入れることで引き離すことができます。

 

口を閉じていてヘラが入らないとき

ホタテが固く口を閉ざしていて刃が入らないときがあります。

口が閉じているとき

そんなときは写真のように若干大きい上側の貝殻と下側の貝殻の間にヘラやナイフの端を隙間に食い込ませます。

そこからてこの原理のはたらきを利用してグイと上にヘラを上げることで口を開かせることができます。

そこからヘラを滑らせて貝柱を切り離してください。

 

内臓をとって、可食部をとりだす

内臓をとる

ウロ取り1

開いた後のホタテは色々な部位があるように見えますが、コツをつかめば一気に内臓と貝柱を分けることができます。

まず上の写真を見てください。

この場所から貝柱に向かって指を入れます。

そうすると貝柱に全ての内臓をつなぐ膜のような存在を感じることができます。

これが俗にいうひとつなぎの大秘宝(ONE PIECE)ですね。(違う)

ウロ取り2

中指・人差指・親指の3本の指を使ってヒモから内臓まですべてをつかみ、貝柱の周りを反時計回りにぐるっと一周させてください。

そうすると一気に内臓がとりだせます。

 

食べられない部分を取り出す

貝柱とウロ

こうして貝柱と内臓を分けてとることができたら、内臓の中で食べてはいけない場所、食べてもおいしくない場所を取り除きましょう。

 

ウロ

ウロ

取り出した内臓のうち、黒い部分はウロと呼ばれ、ホタテの消化器官になります。

生では食べられないので加熱しない場合は取り除いてください。

 

エラ

エラ

こちらの部分はホタテのエラです。

エラはホタテにとって必要な部分と要らない部分を分けるフィルターになっています。

加熱すれば食べることができますが、これまた生では食べられない箇所になります。

 

食べられる部分がそろいました

可食部

これで貝柱、ヒモ、白子(卵)の3点がそろいました。

このうちお刺身で食べるのは貝柱とヒモです。

上の写真のオレンジ色の卵です。

メスにはこのオレンジ色の卵がついてきますが、オスには白い白子が付いてきます。

こちらはバター焼きにして食べたりするとおいしいのでぜひ試してみてください。

 

最後の仕上げ

貝柱をとる

ホタテの剥き方2

最後に片方の貝殻からヘラを使って貝柱をとりましょう。

先程と同じように貝殻にヘラを沿わせるように滑らすとうまく引きはがせます。

 

ヒモのぬめりをとる

ヒモ

ホタテのヒモを刺身で食べるには、ヒモに予め塩を振っておきます。

少しおいたあと、手で揉み、水で洗い流します。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

剥いた後のホタテは上の写真のように貝殻を器として使って盛り付けると雰囲気が出ます。

自分で剥いたホタテを食べるのは、寿司屋やスーパーで見るような、すでに貝柱になっているホタテを食べるのとはまた違った感覚を味わえます。

新鮮なホタテは繊維がしっかりしてるのでシャキシャキとした食感が味わえると言われています。

そんな新鮮な殻付きホタテを一度試してみてはいかがでしょうか?