2020/1/6 - 女川さかな手帖
宮城県牡鹿郡女川町の魚屋、岡清と鮮冷が綴る、女川の豊かな食と暮らしを彩る”さかな手帖”です。

女川七十二候:小寒 │ 初候[ 吉次則華 – きちじすなわちはなやぐ ]

新年明けましておめでとうございます。

年が明けて今日から仕事始めの方も多いのではないでしょうか。
暦の上では今日から節分の日までを「寒の内」といい、今日は「寒の入り」。
いよいよ本格的な寒さが来ると言われる時期です。

「小寒」の初候は、七十二候では「芹乃栄(せりすなわちさかう)」といいます。
春の七草でもあるセリが、盛んに生えるとされている時期です。
セリは、作付け面積、収穫量ともに、宮城県は第一位の野菜で、ここ数年でセリの根っこ
まで食べる「せり鍋」がブームになっているのを肌で感じます。
旬のお魚と一緒に食べても美味しい鍋ですよね。

「女川七十二候」は「吉次則華(きちじすなわちはなやぐ)」です。

キチジは別名キンキとも呼ばれます。関東の方にはこちらの方が一般的かもしれません。
宮城では古くから名物「笹かまぼこ」にも使用されている馴染み深い魚ですが、
脂のノリもよく、近年はすっかり高級魚の仲間入りをしています。

華やかな赤色が特徴で深いところに住み、赤が鮮烈なものほど美味しい魚です。
今は旬の時期にあたり、脂ものっています。

赤色が縁起が良いことから、新年のお祝いなどにも使われる魚である。
名前に「吉」を冠しているのも、一年の始まりにぴったりですね。

吉次は主にトロール(底引き網)で獲れる魚ですが、女川ではトロール船が寄港して
水揚げをしないので、主に石巻で揚がる魚になります。

ただ今年は吉次の漁場が遠く、また今年はさばが近くにて獲れているため、石巻でも
吉次は水揚げ量が例年に比べて少ないようです。
遠くまで吉次を獲りに行くよりは、近くの大量のさばを獲ることに力を入れているという
ことですが、吉次もさばも美味しいですよね。(^-^)