2019/10/23 - 女川さかな手帖
宮城県牡鹿郡女川町の魚屋、岡清と鮮冷が綴る、女川の豊かな食と暮らしを彩る”さかな手帖”です。

10/23市場のおさかな🐟

おはようございます。朝早く市場に着くと見える朝日はとてもきれいです。特に寒くなってきた最近では空気も澄んで空も晴れ渡り、気分の良い1日のスタートを迎えることができます。さて今回は最近市場に上がってくるお魚をご紹介したいと思います。

【かます】

こちらは「かます」という魚です。とても小さくてどこか可愛いような見た目をしていますが、、、実は鋭い歯を持っていて産卵後の夏に小魚を食べまくる、小さな海のギャングなんです。秋の季節にとても脂が乗ってきて美味しくなってくる魚です。そのまま焼いたり、鍵開きという捌き方で干物にするのが有名です。

 

【シロザケ】

この時期に秋鮭と言われる鮭は、分類上「シロザケ」という種類の鮭です。シロザケは川で生まれて海へ流れて3年ほど海で過ごしてた後、生まれ故郷の川に卵を生みに戻ってきます。シロザケは海にいるときと淡水にいるときで体の色が変化します。この写真はまだ海水にいるときの色で「ぎんけい」と呼ばれます。これに対して淡水になれて体が褐色じみてきた鮭を「ぶなけい」と呼び、2つを区別します。というのも身が美味しいのは断然「ぎんけい」だからです。体がだんだんぶなけいへと変色していくことを「ぶなる」といいますが、一般的にぶなればぶなるほどおいしさは減っていき、卵(いくら)以外の価値があまりなく、値もさがっていきます。11月になってくると大体の鮭がぶなってくるので美味しい身を食べたいなら早秋、9月の中旬頃から狙いを定めておくと良いかと思います。

 

 

だんだん季節の境目がなくなってきて暑いか寒いかのどちらかというような気候になりつつありますが、こうした魚を見ているとわずかながらに秋を感じることができるなぁ、そんな風に思った本日の市場レポートでした。

 

それではまた次回!