2019/11/13 - 女川さかな手帖
宮城県牡鹿郡女川町の魚屋、岡清と鮮冷が綴る、女川の豊かな食と暮らしを彩る”さかな手帖”です。

人生100年時代へ魚やさんの提案~ヒラメを捌きませんか?~

※血など多少グロテスクな写真が含まれています。

 

 

みなさん、最近世の中では人生100年時代といって話題ですが、100年も生きていれば、ヒラメをさばかなければならない事態に出くわすこともあるかもしれません。

また暇で暇で退屈になって「そうだ、ヒラメさばこう」という気持ちになる可能性は0とは言えないのではないのでしょうか。

そんなときのために今回はヒラメのさばき方をご紹介していきたいと思います。

カンタンに流れを説明すると、ウロコをとる→頭を落とす→内臓を出す→骨から身を切り離す、という流れですが節々のポイントと合わせてステップごとに解説していきます。

今回は初心者でもできるさばき方ということで「5枚おろし」に挑戦していきます。

 

【必要な物】

・必要な枚数のヒラメ

・よく切れる包丁

あったほうが良いもの

・ウロコとり(包丁で代用できます)

・歯ブラシ(血合いを取るのに便利です、包丁で代用できます)

 

また環境としては流水の近くが望ましいです。でないと内臓やまな板を洗うときに大変です。

では実際にさばいていきます。

 

①うろこを取る

まず自分の左側に魚の頭が来るように魚をまな板の上にセットします。

そしてウロコをとります。ウロコ取りがあればそれを使用しますが、包丁で代用可能です。

魚の身を撫でるようにして鱗をとっていきます。結構強めに押し込むようにしないとなかなか取れません。

ヒラメの表面にはぬめりの層がありその下にざらざらしたウロコがあります。完全に取りきることは難しいので、これから包丁を入れていく、背びれ尾びれの縁の部分だけは念入りにやっておきます。

 

②頭を落とす

↑↑頭を落としていきますが、垂直でなく少し左斜めにして包丁を入れます。今回は大きいので片面ずつ切っていきます。

骨が非常に固いので包丁の刃元の部分を使って両手で切ります。

表面を切ったら逆側に包丁をいれ完全に切り落とします。

 

切り落とした頭部を引っ張ると内臓も一緒に出てくるので繋がっているものは一緒に取ってしまいましょう。

 

③卵をとる

切り落とした頭部の切り口から腹の部分を少し切り、卵を取り除きます。

④血合いを取る

内蔵や卵が入っていた空間の背骨側に赤黒い血の塊を見ることができると思います。

この部分が血合いですのでブラシがある方はブラシでこすって取り除きます。

ない方は包丁で切れ目を入れて包丁や手でかきだします。

この段階でまな板がだいぶ汚れていると思います。

しっかり洗って怪我をしないようにしましょう。

 

⑤片面ふっくらしたサイドから背骨に向かって包丁を入れる。

ものによってどちらがふっくらしているかは変わりますが、身の厚い方から背骨に沿って一直線に切れ目を入れていきます。

 

 

ここからだんだん捌いてる感を感じられるようになります。

 

⑥ 身を切り離す

次はヒレに沿って切れ目を入れておきます。

切れ目を入れたら背骨から身を切り離していくときにこの切れ目を目指して切っていきます。

 

背骨に擦り付けるようにして包丁を使って縦方向(頭・尾びれ方向)にスゥーっと少しずつ切っていきます。

家庭用消費なら問題ありませんが、あまりノコギリのような使い方をすると断面がボロボロになりこちらは売り物にならなくなってしまいます。

逆側も同じように切れ目を入れて背骨から包丁を入れていきます。

⑦逆サイド

逆サイドも同じように切っていきます。

切れ目を入れる順番が逆になっていますが気にしないでください。

⑧出来上がり

以上の工程で終了です。

あらは基本捨てますが、干して食べることは一応できます。

 

↑お疲れさまでした。こちらがヒラメの5枚おろし完成図です。

 

最後にコツを言っておきますと、焦らないこと。骨を感じながらやること。です。

焦ると身がボロボロになりますし、骨の位置を見誤ると可食部が減ったり、おかしな方向に切れたりしていまいます。

焦らずにヒラメとお話しながらゆっくり試して見てください🐟

それではまた次回!