いわし – 女川さかな手帖

意外とスゴイ!いわしの栄養を徹底解説〜よくある誤解を解消しながら学ぶ〜

はじめに

食卓でおなじみの青魚・いわしは、「脂が多くてカロリーが高そう」「骨が面倒」といった先入観のせいで敬遠されることがあります。しかし、日本食品標準成分表(八訂 増補2023年)を確認すると、いわしは良質なたんぱく質に加え、DHA・EPA、ビタミンD、カルシウムなどを一度に補給できる栄養の宝庫であることが分かります。

この記事では、公的データに基づいて主要栄養素と健康効果を整理し、栄養を逃さず摂るコツをお伝えします。レシピではなく知識を身につけることで、日々の献立に自信を持っていわしを取り入れられるはずです。

いわし1尾に凝縮された栄養パワー

生の真いわし可食部100 gには、たんぱく質19.2 g・脂質9.2 gが含まれています。脂質の中身を詳しく見ると、血液をサラサラに保つDHAが870 mg、EPAが780 mgと青魚の中でもトップクラスで、合わせて約1.65 gに達します。さらに骨の形成を助けるビタミンDが32 µg、カルシウムが74 mgと、わずか1尾で複数の必須栄養素をバランスよく補給できる点が際立ちます。

健康効果を支えるしくみ

DHAとEPAは中性脂肪を低減し、血小板の凝集を抑えることで動脈硬化の進行を防ぐ働きがあります。厚生労働省の資料では、EPA+DHAを1 g/日以上摂取することが望ましいと示されており、いわし1尾でほぼ基準を満たせます。

ビタミンDは腸管からカルシウムの吸収を高め、骨への沈着を促進します。いわしを骨ごと食べればカルシウムを直接補給しながら、その吸収率をビタミンDが押し上げる相乗効果が得られます。また、鉄とビタミンB₁₂も豊富なため、赤血球の生成を助けて貧血予防にも寄与します。

誤解されがちなポイントを整理

脂が多いから太りやすい?

いわしの脂質は大半が不飽和脂肪酸で、体脂肪として蓄積されにくい性質があります。むしろDHAとEPAを十分に摂ることで中性脂肪が下がり、善玉コレステロール(HDL)が増えるため、脂質は「敵」ではなく「味方」と考えるのが正解です。

缶詰や冷凍品は栄養が落ちる?

水揚げ直後に加工される缶詰や急速冷凍品は酸化が進みにくく、DHAやEPAの保持率が高いことが報告されています。特に油漬け缶は脂溶性ビタミンDが汁に溶け出しているため、汁ごと利用すれば生鮮品に劣らない栄養価を確保できます。

骨が硬くて食べにくい?

骨を外すとカルシウム量が大きく減少します。圧力調理や酢煮、丸干し・缶詰を選べば骨まで柔らかくなるので、丸ごと食べて栄養を余さず取り入れましょう。

1日の目安量と食卓への取り入れ方

厚生労働省が示すn-3系脂肪酸の目標量はEPA+DHAで1 g/日以上です。いわし1尾(可食部約100 g)でDHA+EPAは1.65 gに達するため、週に3〜4回主菜として取り入れるだけで無理なく基準をクリアできます。忙しい日は冷凍フィレや水煮缶を活用し、汁まで食べる工夫をすると良いでしょう。

まとめ

いわしは「たんぱく質・必須脂肪酸・ビタミンD・カルシウム」を同時に補える、コストパフォーマンス抜群の魚です。脂質の質に注目すれば“太る魚”どころか“血管と脳を守る魚”であり、骨ごと食べれば骨粗しょう症対策まで視野に入ります。保存技術が進んだ今、缶詰や冷凍でも十分に栄養を摂取できるので、誤解を解き、脂と骨を丸ごと味方に付けて毎日の健康づくりに役立ててください。

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